【重要文化財|旧三河島汚水処分場 喞筒(ポンプ)場施設】 行き方、見学のしかた (東京都)


サイトマップ東京都 国宝・重要文化財 > 旧三河島汚水処分場喞筒場施設



1 アクセス情報
 1-1 アクセス・文化財分布マップ
 1-2 最寄りの駅から徒歩
 1-3 駐車場

2 見学のしかた (予約方法など)

3 訪れた時の様子 (写真)

4 旧三河島汚水処分場喞筒場施設の説明

5 問い合わせ





1-1 【アクセス・文化財分布マップ】






1-2 【最寄り駅から徒歩】

東京さくらトラム(都電荒川線) 荒川二丁目駅から、見学者集合場所(上の地図・青マーカー1)まで徒歩約3分(250m)。

または、
東京メトロ 千代田線 および 京成本線 町屋(まちや)駅から、見学者集合場所(地図・青1)まで徒歩約12分(900m)。





1-3 【駐車場】

東京都下水道局、旧三河島汚水処分場 喞筒場施設見学案内サイトでは、クルマでの来場は可能としています。
駐車スペースは、旧三河島汚水処分場内、2台分。
見学予約の際に、駐車場を使いたい旨の申し出が必要です。


見学者入口(上の地図・青マーカー1)から半径300m以内に、複数の時間貸駐車場があります。
NAVITIME 駐車場検索ページにて、「荒川二丁目駅」で検索。





2 【見学のしかた】

国指定重要文化財「旧三河島汚水処分場喞筒場施設」は、東京都下水道局 三河島水再生センターの敷地内にあって、一般公開されています。

ただし、見学には、電話、またはインターネットでの事前予約が必要です。

見学や予約についての最新情報は、東京都下水道局公式サイトを参照してください。
(リンクが切れている場合は、「旧三河島汚水処分場喞筒場施設 見学」で検索してみてください)


以下、2020.1
見学の予約は、一人から12人まで可能です。

ネットで予約する場合は、見学希望日の10日前までに、予約する必要があります。
(システム上、それより後の日付は選択できないようになっています)

見学希望日の10日前を過ぎてから見学の予約をしたい場合は、電話で予約してください。
旧三河島汚水処分場喞筒場施設 見学予約・問い合わせ用電話番号
03-6458-3940
電話の受付時間 平日 9:00〜17:00
(現役の下水処理施設見学とは番号が違います)

ネットで予約を行うと、三河島重要文化財見学受付から予約を受け付けた旨のメールが届きます。


[見学可能時間] 9:00〜16:00
[休館日] 火・金曜日、年末年始
[入館料] 無料
[人数制限] 原則として12名以下(13名以上は要相談)
[年齢制限] なし
[見学所要時間] 1時間30分

場内にお手洗いあり。
場内での飲食は、原則としてできません。
(ペットボトルの水を飲むくらいなら可能だと思います)


見学開始時刻に、三河島水再生センター正門(地図・青1)の見学者集合場所に行くと、スタッフの方が待っており、案内してくださいます。

見学者集合場所の正門。
見学は、案内スタッフの方の説明を聞きながら行うガイドツアー方式です。

この見学のすごいところは、
地下の下水施設を地上から眺めるのではなく、なんと、埋設された巨大下水管の中に入れる ところです!

全国には水道施設の文化財がいくつもありますが、そんなのはここだけです。多分。

ほんのかすかに、ですが、下水のニオイが残っているのも、リアリティがあってゾクゾクします。

そして、一部のマニアの方々の間で密かに人気のある「マンホールカード」をはじめ、カレンダーやハガキなど、いろんなお土産も無料でもらえます。





3 【訪れた時の様子】

1 地図・青1の場所に行くと、引率の方が待っていました。
2

3 事務棟の中の、見学者用の部屋。
この部屋で、文化財に関するビデオを見ました。15分くらい。

4 見学者のために用意された、数々のお土産。すべて無料でもらえます。

ビデオを見て、軽い説明を受けたら、スタッフの方に引率されての見学が始まります。

5 事務棟の前にあった案内看板。ここで、文化財の概要を説明していただきました。

6 正門の横にある石碑。
明治時代の初めの頃には、既に横浜や神戸で下水施設は造られていましたが、微生物を使った本格的な近代下水処理場は、ここが初めてだということでした。

7 正門からまっすぐ進むと、二つ並んだ小さい建物が見えてきます。東と西の、阻水扉室(そすいひしつ)。地図・赤1
下流にあるポンプ場施設のメンテナンスなどのために、流れ込む下水をここで止めるための扉が地下に設置されていて、その扉を上げ下げするための機器が置いてあります。

扉の建物が二つあるのは、片方の下水経路がメンテナンス中でも、もう片方を開けて下水処理を行えるようにするためです。
8
9
10
11

12 二つの阻水扉室の間から、下流の沈砂池(ちんさち)と濾格室(ろかくしつ)が見えます。

沈砂池(地図・赤2)は、下水をゆっくり流してそこに含まれる泥や砂を沈め、取り除く働きをします。

13 阻水扉室の下を通った下水が、沈砂池に流れ込む出口。構造を強くするために、縁取りは花崗岩を使っています。

14 細長い池の両側上端には、溝の跡みたいなのがありますが、ここにはかつて、池の底に沈んだ汚泥を取り除く装置と、それを移動させるレールが埋め込まれていました。
沈砂池の奥には、濾格室(ろかくしつ・地図赤3)があります。煉瓦造りのようにも見えますが、レンガ風のタイルを表面に貼り付けた鉄筋コンクリート造です。下水の上に浮かんだゴミなどを取り除くところです。

15 濾格室の下流には、量水器室(りょうすいきしつ・地図赤4)があります。地面の下に埋まっています。
ここにはベンチュリー管が埋められていて、そこで「ベルヌーイの定理」を応用して下水の流量を計ったそうです。

16 量水器室の更に下流に、喞筒室(ぽんぷしつ)があります。
17

「ここから、地下の下水管に入ります」

案内のスタッフの方が、サラッと言います。

え、下水管の中に入るんですか?!
水道系の文化財建造物はあちこち行きましたけど、そこまで公開しているのは、ここだけじゃないでしょうか。

18 ヘルメット装着。なんかワクワクします。

19 スタッフの方について、階段を降りていきます。

20 「喞筒井接続暗渠」(ぽんぷせい せつぞくあんきょ)。
21

22 下水管の底には、穴の開いたタイルのようなものが敷き詰められていました。
これは硬くて平たい瓦の一種で、細かい汚物を含む下水が詰まったりしないようにするための工夫なんだそうです。

二手に分かれていた下水は、この暗渠の中で合流します。
23 この画像は、下流から上流を見たところです。

このあと、下水は10本ある喞筒井(ぽんぷせい)に分散されます。喞筒井とは、ポンプで下水を吸い上げる井戸のことです。

24 この画像の奥が、喞筒井。

それにしても...。
見学の間中、下水と、消毒液が混ざったみたいな、微妙なニオイがずっと鼻をくすぐり続けていました。
それはそれで、リアリティがありますが。

25 喞筒井どうしは、こんな地下水路でつながっています。

26 喞筒井どうしをつなぐ管を開け閉めする、巨大な鉄の扉。高さは3mほどでしょうか。
27

28 喞筒井。画像中央に見える垂直の管で、下水が地上に吸い上げられます。喞筒室(地図・赤5)の真下にあります。
29

30 垂直管の真下には「富士山」と案内の方が呼ぶ三角錐の構造物がありました。
これのおかげで、下水がよりスムーズに管に吸い込まれます。円筒形の喞筒井の中心から、管が少し横にズレた位置にあるのも、下水を吸い込みやすくするための工夫なんだそうです。

ここで、地上に戻ります。

31 喞筒室(ポンプ室・地図赤5)。

32 喞筒室の前面には、こんな感じの低い擁壁(コンクリートでできた壁)があります。海面に近い低い土地のため、洪水でポンプが浸水しないようにするための工夫です。

33 喞筒室内部。下水を吸い上げる10台のポンプが、ずらりと並んでいます。
34
喞筒室の天井は、トラス構造になっています。

35 量水器室で計測された圧力の差から、下水の流量を表示、記録するベンチュリーメーター。
36
37

38 ポンプ室の裏手。






4 【旧三河島汚水処分場 喞筒場施設の説明】

旧三河島(みかわしま)汚水処分場の喞筒(ポンプ)場施設は、現在の台東区と千代田区の一部の下水道施設として、大正3年(1914年)から工事が開始され、大正10年(1921年)に完成、翌11年から運用が始まりました。それまでも横浜や神戸に下水管が整備されたりはしていましたが、微生物の働きを利用した、本格的な近代汚水処理施設は日本で初めてのものでした。それから70年以上に渡り、縁の下で都民の生活を支えてきましたが、平成11年(1999年)にその働きを終えました。その後、東京都下水道局は保存のための復原工事を実施。喞筒場施設は日本で最初の近代下水処理施設であること、一連の施設がまとまってかつての姿を保っていることが評価され、平成19年(2007年)、下水関連の施設としては全国で初めて、国の重要文化財に指定されました。

重要文化財に指定された建物
阻水扉室(東・西) そすいひしつ
沈砂池及び濾格室(東・西) ちんさち および ろかくしつ
濾格室上屋 ろかくしつ うわや
量水器室及び喞筒室暗渠 りょうすいきしつ および ポンプしつあんきょ
喞筒室 ポンプしつ

(以下、・つけたり)
土運車引揚装置用電動機室
変圧器冷却水用井戸喞筒小屋
門衛所
ベンチュリーメーター

文化財のピンポイント分布マップは、このページ冒頭。





5 【問い合わせ】

東京都下水道局、三河島重要文化財見学受付へ。
電話番号 03-6458-3940



このページは、以下の記載などを参照しています。
東京都下水道局 公式HP
旧三河島汚水処分場喞筒場施設 見学用公式サイト
文化庁国指定文化財等データベース
現地案内看板
現地配布パンフレット


200116

コメント

このブログの人気の投稿

【重要文化財|赤神神社 五社堂】 行き方、見学のしかた(秋田県)

【国宝|大崎八幡宮】 アクセス・境内案内 詳細マップ付き

【重要文化財|法務省 旧本館(赤レンガ棟)】 行き方、見学のしかた (東京都)